カクテル・ドリーム〜それぞれの道〜
「桃香さん、大丈夫?」


翔太くんが心配そうに私の顔を覗き込む。


「あ、ゴメンなさい。」


私は気付かないうちに溢れ出た涙を慌てて拭いた。


「桃香、康ちゃん達に話を聞いてもらいなよ。」


話の内容があまりにも情けなくて、悲しくて‥あまり気乗りしなかったけど、康介さんの顔を見ていたら自然と口が動いていた。


「‥私達、結婚の話も出ていたんです。だから‥職場であの二人を見ていたくなくて‥。」


さっきまで怒っていた美咲も黙って話を聞いていた。
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