カクテル・ドリーム〜それぞれの道〜
「‥え?」


「桃香ちゃんのおじいさんも、このアップルパイでたくさんの人を笑顔にしてきたでしょ?」


「それを桃香ちゃんが引き継いで、もっとたくさんの人を幸せな気持ちにさせることだってできるんだよ?」


‥康介さん‥。


康介さんは指で優しく私の涙を拭いた。


ー「桃香の作ったお菓子が、世界で一番おいしいよ」ー


私は、おじいちゃんがいつもニッコリ笑って言ってくれた言葉がフワッと聞こえてきた気がした。


「‥康介さん、私、自分の進む道をやっと見つけました。」
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