生きる理由は何ですか?
一つ
生きるというのは、なんだろうか。
僕はいつもただぼんやりとその意味を考えていた。
苦しさや悲しさが襲う毎日だったり、退屈な時間が多い中で、何故だろう。僕は不思議で仕方なかった。

工場で働く僕は毎日上司に怒鳴られては周りから呆れられ、気が付いたら仕事を度々休むことがあった。
やる気が無いと思われても仕方ないけれど、それでもこんなにも空っぽな心で行くのは辛かった。
ただ黙々と仕事をする毎日。周りの人は大概歳が上過ぎて、なのに周囲の悪口に華を咲かせる人が沢山居た。
気の合う人など居ない。
それでもやめないのは親を養わなくてはならないからだ。
共に働いてはいないし年金もない。
だから稼ぐ。自分には入らないお金を稼ぐために僕はひたすら汗を流しながら耐える。
襲って来る虚しさは半端ない。
当たり前だ。
自分のためにではないのだから。
なのに帰れば嫌味を言われ文句を言われ。僕の心に救いなどないし生きる理由が見付からなかった。
しかしそれでも同じ毎日を繰り返す。
決まった時間に起きて支度をして仕事へ行き終われば寄り道もせず帰る。
何が楽しいかだなんて聞かれても返答に困るだけだった。
まだ若いのに大変ね。よく頑張るわね。若いんだから今のうちにしっかり働けよ。
そんな言葉を毎日言われてもうんざりだ。
それでも生きるのはきっと僕は臆病だからだ。
負けだらけの人生でも死ぬよりは何かあるかもだなんて考えたりしている。
なのに何もない。
いつまで経っても僕の心は空っぽのままだった。

恋愛をしたら変わるのかと思うが先にも話した通り上の人ばかりな職場。
更には工場なのだから女性は数人程度。
それで華が咲いたら凄いものだ。
最早諦めるしかないのか。
世の中は結局諦めることが多い。
僕に限らず殆どの人が経験している挫折という言葉。
その挫折を味わいそこからどう這い上がるかは人それぞれで、負けじと頑張る者、諦めて道を変えてしまう者、諦めたくはないがどうしたら良いか分からずに閉じこもる者。
本当に様々だと思うが僕は道を変えてしまう者だった。
苦しいから、泣きたくないから、揉めるのが嫌いだからと楽な方を選び流れていくのだ。
居心地が良かったかと聞かれれば答えはNOだ。
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