どこまでも、蒼く


俺の前に立って、そう言った陽菜は、俺の隣に座り、白い歯を俺に見せた。


『話?なに?』


『陽菜に聞きたいことありますか?』



聞きたいこと?
…ないよ。ないよ。
なにを聞いたらいいんだよ。
頭の思考回路がストップする。
俺は下を向いて、陽菜から話し出すのをただじっと待っていた。


『…陽菜ね、この学校に転校してくるの、怖かったの』


突然、小さめな声で話し出した陽菜。
いきなり何を言い出すのかと思ったけど、俺は下を向いたまま耳だけを陽菜に傾けていた。


『怖い?』


『友達出来るのかなとかね。だけど陽菜、嵐に会えて良かった!』



…ほら、また。
溢れていくよ。


陽菜には恥ずかしさという感情がないのだろうか?
大抵の人は本人に向かってそんな恥ずかしいことを簡単に口に出来るほどの勇気は備わっていない。


陽菜は恥ずかしくないの?


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