どこまでも、蒼く


でも陽菜のように、世界を体全体で楽しめたら、なにかが変わるんじゃないかなって思う。
苛立つことがすぐ和らいだり、笑いたいときに笑ったり。

いつか空だって飛べるんじゃないのかなって思う。


思い込みだろうか?
…違うよね、きっと。


『いい天気ー!嵐ー、陽菜ね、晴れ大好き!!』

スキップをするのをやめて、俺の方を向き、こう言う陽菜。
その陽菜の笑顔が太陽より輝いているから、少しだけ視線を逸らしたんだ。

奪われそうだったから…

『ふーん。良かったな、今日が晴れで』



…艶やかな髪の毛を、触れてもいいですか?

…その大きな瞳で俺を写してくれませんか?


…俺のことを好きになってはくれませんか?



好きが溢れていく。
止められない。
止めることなんて出来ない。



『嵐、お話しましょう』



…恋は、加速することしか出来ないんだ。



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