うさぎが恋した黒ウサギ

日常らしい日常


うさぎの放課後は
結構普通だと思う

仲良しの友達と
一緒に帰ったり
カラオケしたり



「だから~舞は夢みすぎだって。男は浮気するもんなんだってばぁ」

友達の秋子が
デパートの階段に
座って叫ぶ


私、「加野舞」も
その1人

「いーじゃん夢見たって!どうせ恋愛経験少ないですよー!あー少女漫画みたいな恋したい!彼氏ほしい」


ありがちな恋バナ

彼氏ほしいはもう
口癖にも近い



この時間が
舞は大好きだった


友達の恋愛観は
世間の恋愛を見てるみたいで

それで世の中を
知っていく感じがして


…まぁ、(柚菜)みたいな例外もあるけど


「絶対年上だよ、付き合うなら。楽だし甘えられるじゃん?あとキスも上手いし経験豊富だし」

「…柚菜ってほんと
男いないときがなさそうだよねー」

「舞ちゃん
んな事ないってー」

「うんうん。タメなのにそんな大人なのって凄いよねぇ」

「秋子ちゃんまでやめてよー」

話は秋子によって
浮気の話になっていった
舞は柚菜に聞いてみた

「ね、柚菜。浮気はやっぱり許せない派?」


「ん?あぁ…うーん。許せないけどウチは相手は責めないよ?」

柚菜は淡々と答えたが

舞にとって
その返答は意外だった


その言葉に秋子が
身を乗り出す


「何でぇ~!?超むかつくじゃん」


「なんかさ、浮気する
ってことはウチの魅力が足りないんじゃないかって。なら浮気しても仕方ないのかなって思っちゃう。ほんとは嫌だよ?かといって責めても自分が虚しくなるし…本当に好きな相手だから尚更何も言えない。だから浮気は多分されるもんだと思う」

「「…」」

秋子もそれ以上は
何も聞かなかった

…いや、
正論すぎて何も言えなかったんだと思う

私は柚菜のこういう所が大人だと思った

それに純粋だとも思う



柚菜も色々あるんだな



一番余裕そうで

ずっと彼氏がいて

幸せそうに見えてた



でも本当は一番
幸せな恋愛を
望んでいるのは


柚菜なんじゃないかと
さえ思った



…やっぱり恋バナは楽しい
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