王子と姫が出会いました。
そして昼休みが終わる直前、姫は里緒菜の前に立ちはだかった。



「ごめんなさい、本音をぶちまけすぎてしまいました」



姫よ、それは謝ってんのか?



本音と言ってる時点でさらに里緒菜の怒りを煽りそうなもんだけど…。



「ねぇ王子、なんでこんな性格ブスと付き合ってんの?」

「性格…ブスじゃねぇよ。素直すぎんだ」

「信じらんない。王子の趣味疑うよ。もういいや、めんどくさい」



そう言った里緒菜はやっぱり俺に未練があるとかってわけではなく。



ただ、多少大人になって再会したからテンションが上がっただけだと思う。



「性格ブス…。ピッタリですね…」

「はい、ヘコまない。俺がいいと思えばいいんだから」

「なんか…自己嫌悪です…」



男の前だけで性格が変わる女より、自分をよく見せようとする女より。



俺はお前みたいに清々しい性格の方が好きだ。



蘭子だってそう。



サバサバしてるから一緒にいれんだ。



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