王子と姫が出会いました。
そのままなにも話さずに姫に手を引っ張られた。



着いたのは俺のマンションで、放課後デートは静香のせいで流れたようだ…。



たぶん怒ってるであろう姫の気分を損ねないように、放課後デートのことには触れずに家に入った。



玄関のドアが閉まると同時に俺の方を向いた姫…。



「王子君はあげない…」


そう言ってまだ靴も脱がないうちに抱き着かれた…。



なにカワイイことしてんだか…。



本当に愛しい…。



「中入ろ?」

「抱っこ…」



うわぁ~…。



超甘えてんじゃん…。



靴を脱いだ姫がピョンと飛びつき、まるで子供を抱っこしてるようだ…。



ダメ、カワイすぎて食わない自信がない…。



それでも一応理性というものがあるので、とにかく我慢。



ソファーに姫を降ろしても隣に座った瞬間ベッタリくっつかれた。



やめてくれ~…。



僕、辛いッス…。



「姫ちゃん?」

「はい…」

「離れない?」

「絶対ヤダ」



そうですか…。



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