王子と姫が出会いました。
少し落ち着いてリビングに出たら彩としぃちゃんがビクビクしてる。



プリンがケージの中ないて、構ってほしそうにシッポを振っていた。



「夜、なに食う?」

「お、俺作ろうか?」

「当番俺だろ。適当でいいよな?」

「なんでもいい!!です…」



八つ当たりなんかしねぇから。



俺がムカついてんのは姫にで。



瑞紀は今日もバイトか…。



明日からどんな顔して姫に会えばいいんだろうか…。



その日はたぶん口数も少なかったと思う。



姫からの言い訳もなにもない。



次の日に学校へ行くと、泣き腫らした目をした姫がいた。



「…………」

「…………」



挨拶すらしない朝…。



なぜか姫が遠く感じた…。



話さなきゃいけないのに言葉がみつからない。



抱きしめたいのに姫はきっとそんなの望んでない…。



俺が好きなのはナツカじゃなく、姫だって言っただろ。



なんで信じてくんねぇの?



「王子!!」



教室にやって来たのはナツカだった。



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