王子と姫が出会いました。
プク~ッと怒るあたしを宥めるようにみんなで写真を撮りたいという王子君。



写真は笑顔で写った。



「卒業式って泣けないですね」

「俺が泣いたらキモイと思う」

「でももう来ないんですよね、ここ…」

「そうだな」



それからふたりで1年の教室に行った。



初めて王子君を見たのはあたしのクラス。



「たしかここがあたしの席で、後ろが蘭ちゃん!!」

「あの時の衝撃は一生味わわねぇだろうな」

「衝撃?」

「姫見た瞬間、どうしても欲しくなった。それに今もだけど超~カワイかったし」

「や、やめてくださいよ…」



あの日王子君と出会わなければ今のあたしはいない。



友達もできなかったかもしれないし、今の仕事は絶対やってない。



「王子君の部屋行きます?」

「ん」



元佐和先輩の部屋は昔と全く変わってなかった。



彩君にあげたみたいだけど。



「ここでケンカしましたね」

「そうだな」

「何人連れ込みました?」

「…………ははっ」



笑ってごまかした…。



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