あたしと彼と白いキャンバス
八つ当たりでキスしようだなんて、冗談にしても酷い。



「帰ります!」


力を込めて先輩を押し退ける。


もう一度ふざけたことをぬかしたら、またぶん殴ってやる。

そう思ってたけど、それからの先輩は不思議なほど大人しかった。


先輩の唇は軽く切れて、

感情を表していた瞳がまた無口になる。



「…デザートが残ってる、けど」

「いりません」

「そう、」

「……」

「……」
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