あたしと彼と白いキャンバス
先輩の家を思い出す。


本館ではなく別館にある先輩の部屋。

先輩は自分を妾の子だ、と自嘲していた。


先輩の家族のことは知らないけど、

同じ家の中でも本妻の子とは差をつけられているんだと想像できる。



そんな環境は、強い劣等感を生むに違いない。




「君のせいだ。

君の絵を見なければ、俺はなんの疑問も持たずに価値のある絵だけを描き続けられたのに。

……もう、描けない」




完璧に現実を写し取る。

その生まれ持った才能を、劣等感を払拭するために使っていたんだろうか。
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