あたしと彼と白いキャンバス
「ごめんなさいっ」


上半身を前に倒し、
額を床に擦りつけ、

その身をがたがたと震わせながら志乃は謝罪の言葉を口にする。

熱病のように。


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」


何度も。
何度も。




「志乃」

「結ちゃん、ごめんなさい、ほんとにごめんなさい」


あたしは激しく上下に揺れる細い肩に触れた。


「志乃、」



言わなきゃ。

志乃に言いたいことを。
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