あたしと彼と白いキャンバス
そして、


「結ちゃん…!」


抱きついてきた志乃を受け止めて、あたしは後ろに尻餅をつく。


「あたし、あたし、ずっと結ちゃんと友達になりたかったの」

「…え?」



「あたし、中学の頃イジメられてて、ずっとひとりで、怖くて怖くて」



イジメられてた?

志乃が?



「だから高校に入ってからは頑張って明るくして、友達いっぱいできて」


ぎゅううとしがみつく腕。

その力は痛いくらいに強い。




「でも結ちゃんはひとりなのに強くて媚びなくて格好良くて、あたしと全然違くて。見てるとドキドキして、憧れてたの」
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