あたしと彼と白いキャンバス
あたし、そういう風に見えてたのか…。

ちょっと可笑しい。


「違うよ。

あたしだって弱いし怖いし、ひとりは寂しいよ」


志乃の背中に手を回す。

彼女の真似して力を込めて。



「だから、志乃が友達になってくれて嬉しかった。すごく嬉しかった」


「結ちゃん…」



志乃があんまり泣くから、あたしも泣いた。

新太郎先輩はあたしたちのそばに座り込んで、黙って空を見上げていた。





あたしの携帯の受信箱には、昨夜届いた志乃からのメールが保護されている。


『ごめんなさい』


友達からのたった6文字のメールが、あたしを学校に来させたんだ。
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