あたしと彼と白いキャンバス
『それ』――、ナイフが。

恐ろしい程に美しく、切っ先を光らせる。



血の気が引く。

凶器を持っているなんて。

そんな。



先輩にのし掛かられた男の手がナイフを振り上げ、

刃が閃き、


そして――――。





「先輩!!」


あたしの叫びに空気が振動した。
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