あたしと彼と白いキャンバス
『見つけるから。絶対』


…まさかね。

見つかったら嬉しいけど、なくなったものがそんなにうまく出てくるだろうか。

出てきたらモデルになる約束をしてしまったから、心境は複雑だ。





結局、あたしは学校に行くことにした。

正午きっかりに私服で家を出る。

途中でコンビニに寄って缶コーヒーとおにぎりをふたつ買った。


職員室にはふたりの教師がいた。


「あらあ。結さん、部活しにきたの?」


あたしの姿を見ると、美術部の顧問が間延びした声で話しかけてくる。
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