あたしと彼と白いキャンバス
不快な記憶が蘇る。


『だってさあ、一学期の頃とかいつもひとりで可哀想だったじゃん』

『同情っての?』


あの子も最初は優しかったんだ。




志乃はあたしが可哀想なんだろうか。

あたしを見下して同情してるんだろうか。



傷つくのが嫌で、

人の好意を疑って、

素直な受け止め方ができない。


…こんな人間にはなりたくなかったのに。
< 56 / 321 >

この作品をシェア

pagetop