「 CRAZY C@ 」
信号が青に変わる。
自転車は車と同じ位のスピードで走り出した。
“下手な演奏聴いてるほど暇じゃねぇの。”
日和のその自信過剰とも言える言葉を
あたしは否定することはできないし、
しようとも思わなかった。(いつものことだし。)
10歳からギターを始めた日和のギターの腕前は
当時は小学生とは思えないほどで、
あたしはその“音”に心奪われた。
あたしがベースを始めるきっかけにもなった。
今となっても日和のギターの上手さに
あたしは時々嫉妬を覚えるほどである。
『うしっ!3分前到着!』
時刻は8:27。ギリギリ学校に着くことができた。
あとは無事に教室までたどり着けば大丈夫だ!
『遅刻すんなよ、また後でな。』
日和はそう言うと
あたしの頭をくしゃくしゃ撫でて、
スタスタと教室に向かっていった。
あたしも早く教室へ向かわなきゃ!