空色バラード
「えーっとハル…?」

ハルは私を見つめ、ゆっくりと閉じていた口を開く。

「…何?」

この声には面影があった。頭に残っている声。低くて真っ直ぐな声。
私はこの声が…好き。

「あの…さ

私ってどんなキャラだった?」


本人は大事な質問をしたかった。でも…言えなかった。


「明るくて皆をまとめてた
誰からも好かれて信頼されて…優しい子だった」


「…優しい?」

「…ああ」

有り得ない。

……笑わせないでよ。
こんな不良みたいな女が?

「…冗談やめてよ」

ハルは私の言葉にため息をついて、言った。


「嘘じゃないさ

……本当だよ」


私はハルの真っ直ぐな視線から目が離せなくなった。

…そして、
私は突然頭痛に襲われた。

「…っ痛い」


私は頭に手を添え、痛みを和らげようと必死になった。


ハルはそんな私を見て、ナースコールをした。


…私の意識は緩やかに遠くなっていく。

私の脳裏に、いかにも金持ち顔をした男女の姿を浮かばせ、ハルの焦る声が聞こえた。


「……空っ!」


そこで私の意識は途切れた。
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