ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~


………

……




その日、私はほとんどの授業をぼんやりと過ごしていた。

授業内容は全然覚えていなくて、ただただ、答えを探してた。


そして私は、村雨くんの提案に乗ることにした。

みんなと一人ずつ過ごし、自分の想いを知る。
そうすればきっと、何かは変わるはずだから……。



それを伝えるため、放課後の暗室へと向かう。


「あれ?」


3人はもう来てると思っていたけど、そこに居たのは、村雨くんだけだった。

あ……もしかして青山も犬飼くんも、女の子から逃げられなかったのかな?


青山は今日ずっと女の子たちに囲まれていたし、犬飼くんはいつも囲まれてる人……。

だから上手く逃げられなかったのかもしれない。


「渉たちは、多分そのうち来るよ」

「……うん」


そうだとしても、今は村雨くんと二人きりなんだよね……。

やっぱり少し緊張してしまうけど、でも、何かは話さなきゃ。と声をかける。


「村雨くんは、いつも暗室に居るの?」

「うん。 時間を気にせず本が読めるし、撮った写真を現像するのとか、楽しいからね」

「そっか……あ、現像したのとか、今ある?」

「うん」


棚から出したアルバムを私に差し出し、村雨くんは笑う。

それをそっと開くと……そこには、美しい「絵」が収められていた。


「わぁ……」


いつも過ごしている学校や通学路、海や公園の写真。
だけど、私の知っている世界とはまるで違う世界がそこに存在してる。


「あまり人を写さないんだね。 でも、それが綺麗」

「うん、人間は苦手。 人の居ない景色が好きなんだ。
この学校を選んだ理由は、これ」


指差す先にある写真。 それは、学園祭の時に屋上から撮ったもの……。


「学園祭の時は屋上に入れる。 そこから撮る写真が好きなんだ」


あの時見た空や海、太陽……すべてがそのままで、あの日の「絵」が、そこに残っている。


< 114 / 266 >

この作品をシェア

pagetop