ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~
「どしたの?」
「え? あっ……ううん、なんでもない!! 行こっか!!」
「うん」
犬飼くんは多分、目立ってしまうと思う。
でも今更行くのをやめるなんて出来ないし、せっかく二人で出かけるんだから、楽しまなきゃ。
今日1日どうなるかはわからないけれど……とにかく、水族館へ向かうことにした。
「あ、そういえば……電話くれればすぐ外に出たのに、チャイム鳴らすとは思わなかったよー」
「あーごめんごめん、実は携帯忘れちゃって。
で、水族館の前に家に寄っていい?
なくても平気だけど、ないとやっぱり不安じゃん?」
「あ、そうだったんだー。 わかった、取りに行こっ」
携帯忘れてきたのかぁ。
それならチャイム鳴らすのも仕方ないよね。
でも、ビックリしたなぁ。
突然やって来た犬飼くんを見て、お母さんはどう思っただろう?
「あ、ねぇ奈央ちゃん、さっきのお姉さんスッゴく綺麗な人だったねー」
「え? お、お姉さん!?」
「玄関に来てくれたのって、奈央ちゃんのお姉さんじゃないの?」
「あ、あれは私のお母さんだよ……!!」
お姉さんっていうか、どう見てもただのおばさん……。
「うわーどうしよう。 俺、“奈央ちゃんのお姉さんですか?”って聞いちゃった」
「えぇ!?」
「24、5歳にしか見えなかったから、ちょっと歳の離れたお姉さん!!って感じ」
「お母さんは今年37だよー……私を20歳で産んだから、間違いない」
「そうなのかぁ……」
驚いた顔をする犬飼くん。
お世辞っていうか、本気でお母さんをお姉さんだと思っていたらしい……。
「どうしよう? 謝った方がいいかな?」
「うーん……“お姉さんと間違えてすみません”って謝るのは変な感じだから、そのままでいいかも。
それに、若く見られて嬉しくない人は居ないはずだから、きっと犬飼くんの言葉に喜んでるよ」
「ん、そうならいいんだけどね」
……あ、もしかしてお母さん、「お姉さん」って呼ばれて嬉しかったから、犬飼くんのことや青山のこと、あまり聞かなかったのかな?
まぁ、帰ったら根掘り葉掘り聞かれるかもしれないけど……。
なんて思いながら歩いてるうちに、犬飼くんの家に到着する。