ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~


ズキン ズキン ズキン....


何も言わずに、何もせずに、そして私を見ることもなく行ってしまった啓介くん。

今までになかったそんな態度に、胸がズキズキと痛んで苦しい……。


息が苦しくて、どうしようもなく体が震えて、目の前が真っ暗になる。

だけどそれでもなんとか暗室の方へと向かい、フラフラになりながらも、そのドアをゆっくりと開く。




中に居た犬飼くんは、どこか悲しそうに笑いながら、静かに言った。


「啓介は承諾してくれたよ」


承諾……つまりそれは、高校を卒業するまで、犬飼くんが私の隣に居るということ……。


「奈央ちゃんは、ダメかな?」

「………」


私は、啓介くんと居ようって決めていた。
だけど啓介くんは、私とは違う想いだったの?

私と犬飼くんが付き合っても、平気なの……?


“ずっと、ずっとずっとユウの隣に居たい。”


そう言ったのは、嘘だったの……?


< 209 / 266 >

この作品をシェア

pagetop