ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~
「色々と、迷惑かけてごめん」
「え……謝ることなんてないよ。
て言うか全然迷惑じゃないし、むしろ、私の方が迷惑かけてる感じ。
いろんな話を聞いてもらって、凄く感謝してるよ」
「……そっか」
どこか安心したような顔。が、「しまった」という顔に変わる。
「啓介!! てめぇ俺には自重しろって言うくせに!!
ずるい!! なんで俺はダメでお前は良いんだよー!!」
手を繋いでいる私たちに気付いた青山が、悔しそうな顔で間に入ってくる。
そしてそのまま、私の手を掴んで村雨くんから3歩離れた。
「俺も結城に触れていたい。 もっとずっと、お前と一緒に居たい」
青山の本音と、私を想う力強い瞳……。
「……青山、ごめんね」
みんなに対する気持ちがグチャグチャな今は、まだそうとしか言えない……。
「いいよ、いつか惚れさせるから」
明るく笑う青山の手が私から、離れる。
私から、離れてしまう……。
「青山っ……」
「ん?」
「あっ……ううん、なんでもない」
ほんとはずっと、手を繋いでいたい。
でも、私から青山の手を握るなんてことは、出来ない。
こんな中途半端な気持ちで手を握るなんて、そんなこと、出来っこない……。