ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~
でも、青山が隣に居ると凄くドキドキするし、それと同時にホッとする。
もっとたくさん青山のことが知りたい。
青山と、色々な話がしたい。
「……好き、かもしれない」
今、誰よりも先に頭の中に浮かぶのは青山のことだった。
「それって、俺のことが?」
「へ!? あっ、えっと……!!
な、何て言うか……多分、そうかも……」
「はぁ? 多分ってなんだよー」
「ご、ごめん……」
自分の気持ちが、よくわからない。
青山の笑顔をもっと見ていたい。 知りたい。 そばに居たい。
そう思うことが、「好き」になるのかな……?
「……でもまぁ、好きって言ってくれてよかったよ。
俺のことを嫌ってたお前が、俺を認めてくれた感じがして嬉しいよ」
にっこりと、嬉しそうに笑う青山。
そんな笑顔を見ながら、私の心臓は少しずつ動きを速めていく。
「結城のそばに居られて嬉しいよ」
そう言ってくれることが、私も嬉しい……。
体育館の一角で見つめ合う私たち。
離れていた手と手がまた触れ合い、お互いの体を引き寄せる。
今までずっと近くに居た青山の、もっともっと近くに居たい。
今、ハッキリとそう思った。
「……渉」
と声をかけてきたのは、近くに居た村雨くんだった。
わ……村雨くんのこと、すっかり忘れてた……。
「先に戻ってるよ。 学園祭、楽しんでね」
私たち二人に言いながら、微笑みに似た笑みを浮かべる。
村雨くんはひらひらと手を振って歩き出したけど、その後ろ姿はとても寂しそうで、私の心臓は、なぜかチクチクと痛んでいた。