絶えぬ想い、君に


俺に涙を溜めながら話すおばあちゃん。



おばあちゃんの言いたいことは伝わった。



ずっと菜緒だけの生活を送ってることが、申し訳なかったんだろう。



確かに俺は、菜緒が事故に遭ってから、菜緒中心の生活だったような気がする。



乃亜の面倒を見てる生活っていうのは、元をたどれば菜緒の生活で。



そんな生活を送らせてしまってるって、おばあちゃんは考えたんだと思う。



周りの人と同じように、普通に女と付き合ってほしかったんだと思う。



おばあちゃんの気持ちはわかった。



そう考えてしまうおばあちゃんの気持ちも、わからなくはない。



菜緒がどう思ってるかはわからないけど、“菜緒が高校生活を送れなかった分、京平くんが楽しんで”っていうおばあちゃんの言葉は、わかるような気がした。



菜緒も思ってる気がした。



だけど…






何も言い返せなかった。



何も言い返せなかった俺が、苦しかった。



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