絶えぬ想い、君に


俺が絶対に守ろうって思った。



乃亜は。



菜緒が今休んでる分、俺がって。



菜緒の大切な乃亜を。



後悔から来る決断ではあった。



俺のせいで菜緒があんな目に遭ったんだからって。



俺のせいで菜緒が乃亜と一緒にいられないんだからって。



だから全部、乃亜の面倒は俺が見る。



そう決めたのは後悔からではあるけど、こう決断したことは後悔してない。



こうしてよかったと思ってる。



だけど、今でも正直あの頃の俺と何も変わってない。



何度も何度も、菜緒が車にはねられた瞬間が、頭をよぎる。



毎日毎日菜緒に会いに行っても、菜緒が俺を見てくれることはない。



そう考えると、またあの瞬間が頭をよぎる。



菜緒が元気に毎日を過ごしていたあの頃より、あの瞬間。



俺にはあの瞬間ばかりだった。



俺はあの頃から、何も変われないでいた。



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