~LOVE GAME~
さて、問題は呼び出し方だ。
どうしようかな……。
B組に友達いないし、誰かに呼んでもらうしかないかな。
ちょっと恥ずかしいけど、話がしたいし仕方ないよね。
教室の前でウロウロしてても仕方ないもん。
よし、と教室の入口付近にいた女の子達に声をかけた。
「すみません、龍……春岡君を呼んでもらいたいんですけど」
そう声をかけると、教室ばかりでなく廊下にいた女の子達が一斉に私を振り返る。
その視線に冷や汗が流れる。
うわぁ。睨まれてるよ。
しまったかなと思ったがもう遅い。
言ってしまったのだから仕方ない。
龍輝君を呼んでもらうしかないのだ。
声をかけた女の子達にも嫌そうに睨まれてしまった。
そして、わざとらしく盛大にため息をつかれた。
「またぁ? 悪いけど、告白とかでの呼び出しなら取り次がないから」
「そ~そ~。春岡君は誰も相手にしないしぃ」
そう言ってクスクスと笑われる。
うう、バカにされたっ!
同じクラスだっていう優越感をこの人達から感じる。
周りからも、同情のようなバカにしたような視線が突き刺さる。
でも告白なんかじゃないし!
単に話がしたいだけだと気持ちを切り替えて、再度声をかける。
「告白とかじゃないです。聞きたいことがあって……」
と話していると周りが一瞬ざわついた。
そして……。
「楓ちゃん?」
後ろから驚いたような声が聞こえた。
その声に周りがざわつく。
声の方を見なくても、周りの雰囲気で感じ取る。
ゆっくり振り返ると、そこにはやはり捜していた人の姿。
私と目が合うと嬉しそうにニッコリ微笑んだ。
「どうしたの?」
「……龍輝君」
教室には居なかったようで、龍輝君は廊下から現れた。
周りの女の子たちには目もくれず、真っ直ぐ私の前までやってくる。
「もしかして俺に用?」
「あ、うん。聞きたいことがあって……」
そう告げると、ちょっと驚いた表情をしてから、再びニッコリ微笑み頷いた。
「わかった。ここじゃ何だから、二人になれるところに行こう?」
その発言に、周りの空気が止まったのがよく分かった。