~LOVE GAME~



「ーー…では今日の委員会はこれで解散となります。お疲れ様でした」

挨拶と共にみんなはガタガタと席を立つ。
やっと終わった。
筆記用具をしまっていると、貴島君が振り向いた。

「松永さん。あのさ、今日はもう遅いから……」
「春岡くぅん!」


貴島君に声をかけられ顔を上げたが、女の子の黄色い甘えた声に、思わずそちらを振り返ってしまった。
龍輝君が他のクラスの委員会の女子に囲まれている。

「今からみんなでお茶しに行くんだけど、一緒にどうかなぁ~?」

お茶お誘いだなんて、モテモテだこと。
やっぱり人気者はすごいですね。
なんだか嫌みの1つでも言いたくなる。
不意に龍輝君が振り返りバッチリ私と目が合った。

あっ、やば。

目をそらすがもう遅い。

「ごめんね。俺、約束あるから」

と、龍輝君が私の元へやってきた。

「帰ろうか」

約束なんて…してないのに!
すぐに返事をしないでいると、龍輝君はがさりげなく傷痕ら辺をトントンと叩く。

「……了解です」

小さく頷くしかない。

「貴島君、ごめん。私行くね」
「あ、うん。また……」

貴島君は何か言いたげだったけど、先を行く龍輝君に追いつくため、私も小走りで教室をでた。

「……」
「……何? その不満げな顔は?」

校門を出たとたん、口調がガラリと変わる龍輝君。
私は返事をしないで黙って歩いていた。

「何? 無視するんだ?」
「きゃっ……」

腕を掴まれ驚いて声を上げる。
龍輝君は静かに見下ろしていた。

「俺を無視出来ると思ってんの?」

声のトーンが低い龍輝君に思わずたじろぐ。
龍輝君の手はしっかりと私を掴んで離さない。

「離してよ……」
「お前が無視するからだろ」
「無視してないし」

呟くように言うと、龍輝君の手がスッと離れた。
掴まれた所が熱を帯びている。
私の腕なんかすっぽり入るくらいに大きい男の手。
変にドキドキする。
突然、掴んできたりするからだ、きっと。
私は自分の手をギュウッと握りしめた。
何だか落ち着かない気分。

「なぁ。ちょっと買い物つき合ってよ」
「え? 買い物?」

突然の提案にキョトンとしてしまう。
私の返事を聞かずに先にスタスタ歩いて行ってしまった。

「あ、ちょっと!」

なんなの! もう!
自分勝手過ぎるんじゃないの!?

「待ってよ、龍輝君!」

もう!!!


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