~LOVE GAME~

~その後2~



そう、幸せって思っていた。あれを見るまでは……。

「美味しかったね、また来よう」
「今度は奮発してパフェを頼んじゃおうかな~」

カフェを出て、ちなとそんな話をしながら夕日の中を歩いていた。
夕方でもまだ暑いなぁ。
そう思いながら、通りかかったコンビニにフッと目が行った。
そこで目にした光景に思わず足が止まる。

「え……?」
「楓、どうしたの?」

ちなが不思議そうに私を覗き込み、その視線を辿り、驚いた声を出した。

「あれ、春岡君じゃん。隣の……、誰?」

笑顔だったちなが怪訝そうな表情になる。
外の道路から、コンビニのレジが見えるが、そこで会計していたのは龍輝君だった。
そして、その龍輝君の隣で親しそうに話している女の子がいた。
長い髪をポニーテールにして、活発そうな女の子。
あの制服は、近所の中学校の物だ。

「ねぇ、春岡君って妹いたの?」
「ううん、ひとりっ子だって言っていたよ……」

でも、だとしたらその女の子は誰だろう?

二人がコンビニから出て来たので私とちなはとっさに物陰に隠れた。
女の子は親し気に龍輝君の腕に手を絡めて楽しそうに歩いている。
荷物を持った龍輝君も笑顔で相槌を打っていた。

「龍輝君、今日も塾だって言ってた……」

私が呟くと、ちなが険しい顔で私を振り返る。

「ねぇ……、着いて行ってみようよ」

ちなが真剣な表情で呟く。

「え、でも……」
「気になるでしょう。彼女に嘘までついているんだよ!?」

そう言って、ちなは尻込みする私を引っ張って後を追いだした。
龍輝君と女の子は終始腕を絡ませながら10分ほど歩き、とある一軒家に入っていった。
私たちは遠くからその様子を眺める。

「ここ春岡君の家?」
「違うと思う。マンションに住んでるって聞いたから……」

以前、会話の中で、龍輝君はマンションに母親と二人暮らしをしていると言っていたのを思い出した。
なのになんで一軒家? あの女の子は誰なんだろう……。
私が立ち尽くしていると、一軒家の側まで行ったちなが戻ってきた。

「表札見たよ。"吾妻(あずま)”って書いてあった。心当たりない?」
「聞いたことない……」

俯く私に、ちなは優しく肩を撫でた。

「大丈夫だよ! もしかして、塾はこことか?」
「そうかな……」

どこの塾とかは聞いていない。
個人宅でやっている塾なの?

「あ! わかった! きっと友達の家なんだよ。で、あの子は友達の妹とかそんなんだって」
「そうかな……」
「きっとそう。おやつの買い出しでも頼まれたんだって」

買い出し……。そんな感じではあったけど、でも友達の妹にしては距離が近くなかった? 
友達の妹と、あんな風に腕を組んだりする?
私だってまだあんな風に腕を組んで歩いたことなんてなかったのに……。

「今度、春岡君に聞いてみなよ、ね?」
「うん……」

ちなの励ましに、笑顔を作って頷いた。





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