不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
そっと唇を離し、2人で笑い合った。
「じゃあ、帰るか」
「はいっ」
なんかこの会話がこしょばゆく感じた。
いつもと同じ会話なのにね。
「行くか」
そう言われてもう一度返事をして、靴箱に向かった。
「……」
靴を履き終わったのに、動こうとせず、ジッとあたしを見ている先輩。
「あ……あの…///」
そんなジッと見られると、恥ずかしいんですけど……
「やっぱり……そうだよな」
「へ?」
ボソッと何か呟いて、考えている様子の先輩。
一体、何なんだ?
「うん。そうしよう」
イヤ、1人で納得されても。
そんな様子をただ隣で見ていたあたし。
「はい」
……へ?
差し出された先輩の右手。
「……あ、あの?」
「あの?じゃないだろ!手を出してるんだから、普通分かるだろ!!」
そう言った先輩が少し赤くなっていた。
あっ!もしかして!
「あの……はい……///」
つられてあたしまで赤くなりながら、キュッとその手を握った。