不器用恋愛～甘いキスをあなたと♥～

それからいつも通り第一図書室に向かった。



――ガラッ



ドアを開けて中を見るが、誰も見当たらない。



司先輩……まだなのかな？



――♪～♪～～♪



ポケットの中で小さく鳴った携帯。



メール……？



パカッと携帯を開け、中を確認する。



――『ごめん。今日行けなくなった』



待っているあたしに対して、たった一言だけの司先輩からのメッセージ。



｢メール……苦手だって、言ってたんだけどなぁ―…｣


ボソッと呟いて、図書室を後にした。




メールは苦手だから、最初は携帯番号しか知らなかった。


でも付き合い始めて、一応教えてもらっていたメールアドレス。




その始めてのメールがこれ。


ははっ……



司先輩らしいぶっきらぼうな文章だな―……。


予想通り絵文字なんて一切なく、男の子だなぁ―…なんて思ってしまう。



初めてのメール……



嬉しいはずなのに……




あたしが欲しかったメールはこんなのじゃないよ……？


こんなメール……欲しかったわけじゃないよ……？