不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
「そ、そんな怖い顔で睨むなよ!」
睨みたくもなる。
当たり前だろ。
「で?なんで鈴加が浮気したって……?」
鈴加に限ってそんなこと……
「き、昨日見たんだよ…」
「見たって……何を?」
「か、彼女が確か……佐藤智也だっけ?あいつと道端で抱き合った後に、2人で家に入っていったの」
「っ……」
「しかも肩を抱き寄せながらだったからさ―。あの雰囲気は何かあった……」
「もういい。わかったから」
「へ?でもさ~……」
「もういいって言ってんだろっ!!」
叫んだ俺の声に、クラス中の視線が集まる。
――ガタッ
乱暴に席から立ち上がり、教室を出ようとした。
「おい!司っ!」
他のダチと話していた夏樹が何かあったのだと気付き、俺に走り寄ってきた。
「悪い。俺朝ちょっとサボる……」
「は!?……おいっ!!」
そのまま夏樹を無視して、教室を出た。
そしてこの後、鈴加を泣かせた……