不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
まずは体温計と……冷えピタとかあるかな……?
そう思い先輩から手を離し、立ち上がったとたん。
――グイッ
「きゃっ!」
小さな悲鳴と共に、腕を握られていることに気づいた。
「……どこ行くの?」
弱々しい声。
「えっと……体温計ありますか?熱を計りたいんで」
横になったまま腕を握る司先輩に、そう告げた。
「……体温計なんていいから……そばに居て……」
――ドキッ
ど、どうしちゃったの!?
ね、熱があるから!?
甘えたような瞳と声に、胸が異常に高鳴った。