不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~
不器用恋愛-鈴加Side-
あれから月日は流れて……今日はついに司先輩たちの卒業式。
司先輩も……この学校を卒業する。
「司先輩~~っ」
もちろん、あたしも寂しくて号泣なわけで……
「そんな泣くなって。会おうと思えば、いつでも会えるんだからよ」
抱きついてるあたしの頭をポンポンと叩く。
「それにしても、鈴加が人前で抱きつくとか貴重だな」
ニヤリと笑みを見せる司先輩を無視し、それでもなお、抱きついたまま。
だって寂しいじゃん……
いくらいつでも会えるからって、それは毎日じゃないでしょ?
同じ学校だったら、放課後一緒に居れたけど……
進学しちゃう司先輩とはもちろん別々の学校。
大学と高校じゃ、当たり前だけど、放課後一緒なんてのは無理。
ちなみに先輩は推薦で県で有数の大学に進学した。
バカみたいにサボってたのに、頭いいなんてズルい……
「大学だってここから近いんだし……な?」
小さい子供をなだめるような、その姿。
確かに大学はここから近いよ?