不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~


「つか……さ先輩っ……」



大人ぶるなんて無理。



寂しいものは寂しい。



司先輩と……ずっと一緒に居たい。



「つかさっ……司っ―……」



呼んでも届かない声。


でもずっと呼びたかった……


あなたの名前だけを。



大好きで。



苦しくなるほど大好きな司先輩を……



「つかっ……さっ―……」



――ふわっ



……えっ。



「また泣いてる」



優しく包まれるような温かさ。



誰かなんて、顔を見なくてわかる。



だって、あたしの大好きな体温なんだもん……




でも……なんで?



なんでここに居るの……?



「司……先輩……」



キュッと先輩の制服の裾を握り、視線をあげる。



「鈴加って、よくここで泣くよな……」



ギュッと抱きしめられて、伝わる体温が心地いい。



「俺が初めて鈴加に会った時も泣いてたし……」



ははっと笑う司先輩に、あたしもギュッと抱きついた。




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