青空のむこうに~バスケに恋して~
act.12 突然の申し出
「やっぱり離れてた期間だけ、腕も落ちちゃってるなぁ…」
リングに当たって落ちたボールを拾いながら呟く。
虎鉄に教えてもらったこの場所。
あの日から私は、学校が終わると必ずここへ来て一人でシュートをひたすら打っていた。
誰にも邪魔されない、自分だけの時間。
時々、虎鉄やマホが部活帰りに来て遊ぶ事もあった。
あんなにやりたくなかったバスケットだったのに…。
『好きな気持ちがあれば裏切らない。できればそのままその気持ちを持ち続けて欲しい。機会があったらぜひ一緒にバスケやろう!』
あの日…
バスケ小僧からの返信は優しい言葉だった。
…機会があったらって…。
どこの誰だかもわからないのに、変だよね。