青空のむこうに~バスケに恋して~


雨上がりの午後。

水たまりに太陽の光が反射して少しまぶしい。

じりじりと暑さも増してくる。



ハンドルに傘をぶらさげて私は自転車でバスケットコートに向かっていた。

コートはぬれているかもしれないけれど、シュートの練習くらいならできるはず。



それに、家に帰ってもきっと虎鉄に誘われたマネージャーの事で深く悩みそうな気がしてた。


何も考えたくないから、一人でシュートをひたすら打ちたかった。




「…誰か…いる…?」


自転車を止めると、コートからボールのつく音がした。

すでに自転車が1台止まっていて、コートには先客がいるようだった。


荷物を持ってコートの入り口から覗くと、そこには高校生の姿。


「…星羽の人…」


制服から判断できた星羽学院の生徒。

彼は少し離れたところからシュートを放った。


綺麗な放物線を描いてゴールネットを通過する。




そのシュートフォームは、今まで見てきた中で一番綺麗なものだった…。

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