青空のむこうに~バスケに恋して~


一睡もしていない私に、朝の光は厳しい。

昨日の雨がウソのよう。


ところどころにできた水たまり。

自転車で通ると、シャーッと水しぶきを上げた。



「おはよう、ゆず」


いつもの場所に自転車を停めていると、マホがやってきた。


「おはよう…」

「目が赤いけど、もしかして眠れなかった?緊張しちゃうよね…やっぱり…」

「…まあね…」


緊張で眠れなかったんじゃない。

モルの存在が消えてしまった事がショックなんだよ…。


私、こんな状態でバスケ部に残ろうとしてていいのかな?



あんなにメールで励ましてもらって…。

勇気を出せたのも、モルのおかげでもあるのに…。


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