青空のむこうに~バスケに恋して~


「お前、ゆずっこをここで…」

「は?俺はここに荷物を取りに来ただけだ。そしたらコイツが迫ってきて…」

「どう見ても迫った顔じゃなくておびえた顔だろうが。ゆずっこの手首見てみろよ。お前に押さえつけられて青くなってんじゃねーか」


虎鉄の言葉にマサシはただ言い訳を並べるだけ。

でも、私をおさえつけてるところを虎鉄だけじゃなくて、先生にも見られてる。


言い逃れはできない状況だった。



マサシは先生に連れて行かれた。

…ああ、私はまた親が呼び出されて先生に事情を説明されちゃうんだろうな…。


「…よく、ここにいるってわかったね」

「サエが私達が来るなり、助けを求めてきたからよ」

「サエが…?」


マホに問いかけると、彼女は泣きじゃくるサエを指差してそう言った。


「部室に荷物をマサシと取りに行ったけど、アイツはゆずを恨んでる。何をするかわからないって…さ」

「サエ…」


そう言えば、さっき久しぶりに私を名前で呼んでくれたね。


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