年上王子様
「今、俺すげー嬉しい。ゆゆも同じだったんだな。」
私は顔を速水さんの胸に埋め、
両手を速水さんの背中にそっとまわした。
「私もすっごく嬉しいです…」
こんな感じで甘ーい空気に浸っていた時。

ピーンポーン!

は?
や、タイミング悪っ!
「ゆゆ、ちょっと待ってて。出てくるわ。」
速水さんは私の体を離し、
玄関に向かって歩いて行った。
ガーン!!
もっと抱きしめ合いたかったー!
誰だ!
あの時間を邪魔したのは!
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