年上王子様
「助けて下さって、ありがとうございました。」
私は、今できる精一杯の笑顔で言った。
すると、イケメンさんも笑い返してくれた。
「いえいえ。お役にたてて光栄です。」
素敵な人だな~。
こんな人が彼氏だったら、
いいのにな…。
「あの、何かお礼をさせて下さい。」
……って、は?
私、何言ってんの?
イケメンさんも固まってるしっ!
「いやっ、あの!図々しいですよね?!ごめんなさいっ」
私は頭を下げた。
でも……
「いや。お礼、何してくれるのかな?」
え?
お礼させてくれるの…?
考えてなかった…。
「えっとー…どうしよう。」
「じゃあ、ここに連絡して。」
イケメンさんは、私に名刺をくれた。
携帯番号も、メールアドレスもある…。
「いいんですか?!」
「もちろん。連絡してって言ってんだから。」
私はもう一度名刺を見る。
速水漣…
速水さんか…。
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