年上王子様
「始めからそう言いなよ。王子様だけじゃわかんないし。」
いや、すんません。
でも、やっとわかってくれたー!
「で?好きなの?」
四季ちゃんは、ニヤニヤしながら私に聞く。
おもしろがってるよ、この顔…。
「どうなんだろ?わかんないや。」
私がそう答えると、
四季ちゃんは「なーんだ。」とつまらなさそうに言った。
私でおもしろがるんじゃないよ!
まったくもうっ!
「まだ連絡してないの?」
「うん…」
「何してんの!早くしないと、向こうの記憶からゆゆ、消え去るよ!」
そっ…そんなぁ~!!
たしかに、私、ちび以外に特徴ないかも…。
ガビーン…。
「だってだってー!お礼、思いつかないんだもん!」
そう、これが原因なんですよ!
男の人って何されたら喜ぶのかなぁ?
ましてや、社会人だなんて、全然わかんないよ~!
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