One Love〜僕の妹はお嫁さん
二人は見つめ合いながら
じっと動かない。

こ、言葉…

…はい?

とりあえず…どいてくれないか?
このままだと…俺…

あぁ!そうでした!
ごめんなさい!!

言葉は飛び跳ねるように起き上がる。

私の初めてがお兄ちゃん…

俺の初めてが言葉…

二人は声を合わせて言う。

え?
え?

言葉?初めてだったのか?

お兄ちゃんもですか?





そっか。ごめんな。初めてが俺なんかで。

い、いえ!その…
初めてがお兄ちゃんでよかったです…

え?

私…お兄ちゃんの事が…
その…

なんだ?言ってみろ?

お兄ちゃんの事が…
お兄ちゃんの事が好きなんです!!大好きなんです!!!

言葉は顔を真っ赤にして
暴露する。

…そっか。
実はな。俺は言葉に隠してる事があるんだ。
でも、今はまだタイミングじゃない。まだ、早いと思ってる。
いずれは必ず言う。
その時に、今の答えを返す。
それまで待ってもらえるか?

はい。私達は兄妹です…
いくら、私から一方的に好きだって言っても、結ばれる事はないって知っています。
けど…

それ以上言うな。

言葉を潤は抱きしめる。

!?お兄ちゃん?

すぐに答えは出せないけど、
これだけは言える。
言葉は俺の大切な妹だ。
妹でもあり、一人の人間だ。
だから、その答えを出せる日まで少し待っててくれ。

はい。

言葉も潤を抱きしめる。
< 50 / 128 >

この作品をシェア

pagetop