また、明日~天使の翼を持つキミへ~
「親太郎、麦茶、持ってきたよ」
麦茶とコップを手にして部屋に戻った。
でも、親太郎からの返事はない。
真剣に、楽譜を見ていて。
リズムをとりながら口ずさんで、うまくいかないところは、何度も何度も繰り返し歌っていた。
叶くんの曲作りもすごいと思うけど。
まだ一度も聞いたことのない曲を、楽譜を見ただけで歌える親太郎もすごいと思う。
音楽の才能がなく、楽譜の読めないあたしからしたら、“神”のような存在だ。
これは、大袈裟な表現ではない。
心からすごいと思うし、真剣に楽譜を見つめる親太郎の横顔が、一番好きだったりする。