また、明日~天使の翼を持つキミへ~
あたしの隣を歩いていた親太郎の姿が、突然消えた。
静かな廊下には、下校を知らせるチャイムが鳴り響いている。
「し、親太郎ッ!?」
廊下にうずくまる親太郎は、苦しそうに息をしていた。
鼻に手を当てる親太郎。
ポタポタと廊下を染めたのは、親太郎の鼻血だった。
「ちょっと、親太郎!! どうしたの? 誰か、ティッシュ持ってない?」
親太郎のそばにしゃがみ込んで、顔を覗きこんだ。
「はい、ティッシュ」
「あ、ありがと!!」
高橋くんが急いでティッシュ出し、あたしに持たせてくれた。
ぐちゃぐちゃに丸まったティッシュ。
すぐに、親太郎の血で染まってしまった。