また、明日~天使の翼を持つキミへ~


バンドも、しばらくの間封印。


『大学に行ったら、今のこのストレスをうまく使って歌いまくるぞ!!』

と、入試への気合いを入れていた。



あたしは、3人に親太郎のことを話した。


あと、1カ月程しか、生きられないこと。


食事もほとんどのどを通らず、日に日に痩せ衰えていること。


あの日の夜、親太郎が涙を流しながら語った“夢”のこと。


どうにかして、もう一度ステージに立たせてあげたいんだと、あたしの想いも強く言った。


もう声もあまり出せないし、自分の足で立つこともできないけれど。


どうかもう一度、ステージに上がらせてあげたい。



高橋くん達は、すぐに快くOKしてくれた。


でも、この大事な時期に3年生が時間を作ってくれるかが心配だった。


ライブをするとしたら、色々な準備も含めて半月はかかる。


となると、ライブは来月になってしまうんだ。


入試目前に、集まってくれる人はいないんじゃないか。


それが、3人の意見だった。



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