また、明日~天使の翼を持つキミへ~



……親太郎。



「親太郎ーーっ!!」


あたしは、棺の中で眠る親太郎に泣きついた。


「あたしだって、大好きだったよ!!すごくすごく好きだった!! 毎日親太郎の傍にいられてすごく幸せだった!!あたしの方こそ、ありがとう。最後に、あたしの大好きなえくぼ見せてくれてありがとう。輝く時間を、ありがとう!!」



親太郎の周りに、みんなが集まってきた。


みんなで大きな声をあげて涙を流した。


最後の最後まで、親太郎から離れなかった。


一瞬、写真の中の親太郎が涙を流したような気がした。


でも、次に見たときには、満面の笑顔だった。


あたしの大好きな右頬のえくぼを作って、子供みたいに笑ってた。


あたしの一番のお気に入りの写真。


あの写真のように、あたしの中の親太郎はいつまでも笑ってた。


悲しい顔の記憶なんて、一切ない。


“菜緒っ!! 夢はでっかく。 目標は高く。がモットーだぞ!!”


って、笑ってた。


いつまでも、いつまでも。


それは色あせることなく、あたし達の心の中で光り続けるだろう。


親太郎は、別れの時、一度も『バイバイ』と言ったことはなかった。


いつも『またな』って。

『また明日』って、笑ってた。


だから、あたしも『バイバイ』なんて言わない。



親太郎、おやすみなさい。


またね。


また、いつか会おうね――…






―Chapter 9―






< 356 / 366 >

この作品をシェア

pagetop