モ ウ ソ ウ
「おい!松井くん!」
俺は大きな声で
そいつを呼んだ。
松井は体をビクッと
震わせてこっちを
振り向いた。
さえない顔をしている。
不細工って訳でも
なければ、
きれいな顔立ちでもない。
色白で髪は手入れを
している様子もなく
伸びきっている。
存在感が薄い。
絵梨が言っていた
事が分からなくもない。
「...なんだい?」
小さな声で話ながら
松井は寄ってきた。
「あのサイトに登録して人を殺したって本当か?」
自分がこんな質問を
するのすらくだらなくて
半分笑ってしまった。