one's first love
好き
翌日。
あたしは変に裕くんを意識しちゃって……。


気が付くとあたしの目は裕くんを追っていて、
声がすれば耳を傾けている。


……なんなんだろ……。


「…ち、おぃ、なちっ!!」

『ぅえッ?!』
びくっとして、目を上げると、
目の前に、裕くん。

「アホな声だしてんじゃねーよ(笑)バーカ(笑)ほら、マフラー忘れてんぞ?」
クスっと意地悪な笑顔を浮かべて、あたしにぐるぐるとマフラーを巻き付ける。


『ゔぇっぐる゙じっ…ケホッ…』

「あぁ、わりーわりー(笑)」
絶対わるいと思ってないでしょって言ったら、
はは、当たり前。
って、言われた。

…コノヤロウ…。

裕くんはあたしの一個前の席に座る。


『いひゃっ!!』
突然つままれるほっぺ。

「…なんかお前今日変。」


『き…、気のせい…だよ』

「ふ〜ん…?」
裕くんは不服そうに、
言う。

『ほ、本当から!!変じゃないから!!』

「ハイハイ、わかりましたよー」
プイっとそっぽを向く裕くん。


……だって、しょうがないじゃん、昨日一日で、いろんな事が一気に起こったんだもん……。

あたしはむぅっとして
俯いていると、
再び裕くんはこっちを向いて、

「話ならいくらでも聞くからなッ」
ってあたしの頭を撫でる。


『っ////』
あたしは思わず声にならない声を上げて、
顔を真っ赤にした。

裕くんは
驚いた表情を見せて、


「…ふぅん?そっかぁ〜なるほどね〜」
ニヤっと笑ってあたしの手をとる。


『ッ///!!!』
あたしの顔はどんどん熱くなっていく。

「ふ〜ん…?」
ニヤニヤしながら、あたしの手をとる方と逆の手であたしの髪を触る。

『……い…いぢわるッ…』
あたしは無意識に俯いた。

「…知らなかったの?」
みんなにバレないように、あたしの耳元でクスッと囁く。


『〜っ///』

「真っ赤でおもしれー(笑)」
クスリと笑って、あたしの頬をなでる。

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